1.「Cidre de OZÉ」開発の経緯について
→片品村の魅力を村外に情報発信し、その魅力を求めて多くの観光客が片品村に訪れることを期待して、地域資源を活用した新商品「Cidre de OZÉ」を開発しました。
とりわけ、一昨年(2018年)にオープンした「道の駅尾瀬かたしな」においては、GWから紅葉時期まで多くの観光客が訪れていますが、野菜や果樹の収穫時期が終わる11月から4月にかけて販売する商品アイテム数が激減してしまい、観光客の顧客満足度を下げてしまっている状況にあります。
そのため、閑散期にも販売できる、通年型の加工品の開発は不可欠と感じていました。
2.「Cidre de OZÉ」の味について
→シードルというと甘いリンゴのお酒と思われがちですが、実は辛口のスパークリングワインのようなスッキリとした味わいです。ガレットやクレープだけでなく、乾杯時の食前酒から、魚や肉料理を楽しむ食中酒、さらに、デザート後の食後酒として等、様々なお料理やおつまみとのペアリングを楽しむことが出来ます。
3.「Cidre de OZÉ」の販売価格について
→フルボトル1,900円(750ml、消費税別)、ハーフボトル1,100円(375ml、消費税別)の2種類をご用意しています。ともに数量限定です。
4.「Cidre de OZÉ」の取扱販売店について
→販売開始以降、「道の駅尾瀬かたしな」をはじめ、村内にある下表の酒類小売販売店で購入することができます。
No. | 店舗名 | 住所 | 電話番号 |
1 | 道の駅尾瀬かたしな | 片品村鎌田3967-1 | 0278-25-4644 |
2 | ㈲千明千三郎商店 | 片品村須賀川243 | 0278-58-3011 |
3 | ㈱尾瀬酒販 | 片品村東小川3463-1 | 0278-58-3526 |
4 | 金子酒店 | 片品村東小川3474 | 0278-58-3161 |
5 | ㈲登喜多屋商店 | 片品村越本1577 | 0278-58-3141 |
6 | 二嶋商店 | 片品村土出110 | 0278-58-7402 |
7 | ㈲玉城屋商店 | 片品村戸倉607 | 0278-58-7031 |
8 | ㈱尾瀬酒販 鎌田店(スーパーいのうえ内) | 片品村鎌田3873-8 | 0278-58-3411 |
5.「尾瀬リンゴ」が美味しい理由
ア)尾瀬の湧水を原水としている
片品村は、日本最大級の高層湿原を要する「尾瀬国立公園」、そして、武尊(ほたか)山・日光白根山・至仏(しふつ)山という日本百名山のうちの3つの名峰に囲まれており、山々に降った雪や雨が地下に浸透し、長い時間をかけて自然の中で濾過され、片品村の各所に湧出することから、「尾瀬の郷片品湧水群」として、平成20年度に環境省より「平成の名水百選」として認定されています。
我々はこの「尾瀬の湧水」を古くから生活用水としてだけでなく、リンゴ栽培の原水としていることから、片品村で栽培されるリンゴは「尾瀬リンゴ」と呼ばれています。
【尾瀬の里片品湧水群の一つである武尊湧水】
イ)高地栽培の希少リンゴ
また、標高900~1000mの高地という冷涼な気候のもとで「尾瀬リンゴ」は栽培されています。
【標高900~1000mの尾瀬リンゴ畑】
そもそも標高900~1000mという高地でリンゴ栽培をしている農家は全国でも非常に稀と言われます。その理由は、1000mを超えると、強い霜が降りたり、年間の気温の変化があまりにも大きすぎたりするため、リンゴ栽培には不向きと言われているためです。寒さが強い程、リンゴの品質は良くなると言われますが、寒さが強すぎてもリンゴは美味しくなりません。
【黒い斑点があるため出荷できないリンゴ】
【1000㎏の規格外りんご】
ウ)リンゴ栽培の匠の存在
片品村には「片品村りんご研究会」に所属する10軒の生産者、「築地観光果樹部会」に所属する4軒の生産者の計14軒の生産者がいます。小規模な家族経営の農家が多く、60代~70代の高齢者を中心としており、いわば、「リンゴ栽培の匠」と称される方々です。
豪雪地帯の片品村では、これまで寒すぎたために日本のリンゴの代表品種である「フジ」は作ることはできず、収穫期が早い「早生(わせ)フジ」を中心に栽培していました。しかし昨今の温暖化の影響に加え、なによりも「リンゴ栽培の匠」の日々の研究と技術の研鑽により、「フジ」の流れを汲む良質な「尾瀬リンゴ」の栽培に成功しました。
人間の味覚は甘みと酸っぱさのバランスが良いと味が濃く感じるためと言われています。標高による昼夜の寒暖差を活かした片品村リンゴ農家ならではの栽培方法により、平地のリンゴでは決して見ることができない放射状の蜜、身がギュツと締まり歯ごたえを感じる肉質、甘いパイナップルのような香りという「尾瀬リンゴ」ならではの味わいを楽しむことができます。
【蜜入りの尾瀬リンゴ】
6.「Cidre de OZÉ」ができるまで
シードル造り方には、いくつもの種類があります。その中でも代表的な製法の一つ目が「大量生産方式(大きなタンクでまとめて発酵させる製法)」、二つ目が「ガス注入方式(ワインにガスを注入する製法)」、そして、三つ目が「瓶内二次発酵」です。
「Cidre de OZÉ」は「瓶内二次発酵」を採用しています。大量生産方式やガス注入方式に比べて、出荷までに多くの手間と時間をかけるため、上品で味わい深いシードルを楽しむことができます。「瓶内二次発酵」は、以下の6段階の製造工程で完成します。
第1工程
[10月-12月] |
リンゴの“匠たち”により収穫されたリンゴの中で、色や形等により、規格外となってしまったリンゴを集めます。これを一つ一つ冷たい水で丁寧に洗い、製造を依頼した「信州まし野ワイン株式会社」に運びます。 |
第2工程
[12月下] |
洗浄されたリンゴをミキサーやクラッシャーによって皮のまま破砕します。皮ごとがポイントです。 |
第3工程
[12月下] |
搾汁機にかけて果汁を絞り出します。搾汁のタイミングと圧力がその後の味を左右します。醸造家の腕の見せ所と言われています。 |
第4工程
[1月中] |
果汁の中で酵母が増殖するための糖度、比重、pH値等の条件を分析し、リンゴジュースに数値に合う酵母を添加します。 |
第5工程
[2月] |
タンクの中で、1~2日後には発酵が始まります。そのまま2~4週間寝かせます。これが“一次発酵”で、この状態で販売するのが「リンゴワイン」です。 |
第6工程
[3月] |
タンクを少し傾け、不純物の澱を沈殿させ、上澄みだけのシードルを瓶に移し替えます。 |
第7工程
[4月] |
瓶の中に、酵母の餌となる糖や果汁を添加し、1~2ヶ月間瓶の中で発酵させます。これが“二次発酵”です。酵母によって生じる自然で細かな泡のシードルができあがり、これで「Cidre de OZÉ」は完成します。 |
7.「Cidre de OZÉ」の飲み頃はいつですか?
シードルの飲み頃は半年後から1年後と言われています。「Cidre de OZÉ」の場合は、リンゴの収穫を迎える秋から飲み頃を迎えます。
8.「Cidre de OZÉ」はどのような方に買って欲しいですか?
特に20代~70代のアクティブな女性に、自分への“ちょっと贅沢なご褒美”として購入して頂きたいです。古くから「1日1個のりんごで医者いらず」ということわざがあるように、りんごは健康に良い果物として知られています。アップルシードルには、りんごに含まれるりんご酸やクエン酸があるため、エネルギー代謝を促進して、疲労を回復させる作用が期待できます。また、リンゴの皮に含まれるポリフェノールは活性酸素働きかけてくれるので、美肌や血流改善、抗アレルギー、コレステロール低下など、若さを保つのに効果的だと言われています。
9.「Cidre de OZÉ」を買うと何か貢献できますか?
売上の一部は、片品村商工会が中心となって、尾瀬の自然を活かした地域活動費とすることを考えています。
10.そもそもなぜ片品村商工会が作ったのですか?
商工会は事業者の経営支援を行うと同時に、地域振興を担う役割も持っています。そのため、特産品開発を通じて、片品村の地域経済を活性化させることが求められており、近年では6次産業化がその手段として脚光を浴びています。
片品村の場合は、「Cidre de OZÉ」を販売することで、リンゴ農家等の農業者(1次業者)には色や形等で出荷できない規格外品の活用を提案でき、民宿や道の駅、酒販店等の販売業者(3次業者)には、片品村でしか買えることができない付加価値の高い特産品の販売といった、高い地域経済効果が期待できます。そして、これをできる経済団体は片品村商工会だけであることから、我々が音頭を取りました。